別れのあいさつをいくつかご紹介します。
まずは日常的な別れのシーンで、近所の人や同僚、友達、知りあい、お店の店員などに言うような特に形式ばってないあいさつです。
Auf Wiedersehen! (Auf Wiederhören!) 南部では Auf Wiederschauen! という人が多いです。Auf は省略することもよくあります。
Tschüss!(これのバリエーションに Tschö! というのもあります)
Bis bald!
Bis dann!
Bis die Tage!
Servus! (南ドイツのみ)
Ciao! (Ciao, ciao!) (本来イタリア語です。)
Bye bye!(英語で言うのが大丈夫なことも多いです)
一番最初のが一番改まった感じの「さようなら」で、それ以外は「じゃあね」「またね」くらいの意味です。
「元気でね」を言い添える例には以下のようなものがあります。
Machen Sie's gut! / Mach's gut!
Tschüss bis Montag in alter Frische! 月曜日にまで元気で会いましょう
Lass es dir gut gehen!
Halt die Ohrensteif!
Halt die Nacken steif!
Sei tapfer!
Nicht den Mut verlieren!
下の4つは特に落ち込んでいる人や、病気の人などに元気・勇気づけるニュアンスもあります。
Halt die Ohren steif!
Halt die Nacken steif!
Sei tapfer!
は「頑張って」という意味でも言えます。
特に試験や面接などを控えている人に成功を祈るニュアンスの「頑張って」には以下のようなものがあります。
Viel Erfolg!
Viel Glück!
Toi, toi, toi!
Ich drück dir die Daumen.
これからパーティや遊びに行く人に向かっては Viel Spaß! というのが一般的です。
また、旅に出る人には Gute Reise や Angenehme Reise。飛行機に乗る人には Guten Flug なども言えます。
休暇に行く人には Schönen Urlaub! というのが一般的です。
「気を付けて帰ってね」「気を付けてお帰り下さい」というニュアンスでは
Kommen Sie gut heim / Komm gut heim!
Gute Heimfahrt!(車や電車で帰宅する人に)
Guten Heimflug!(飛行機で帰宅する人に)
などと言えます。
特にそういう状況ではなく、ただ単に相手によい時間を過ごせるように願う言葉をかけることがよくあります。単にさようならというより親愛の情がこもってていいですね。
朝方見かけて「行ってらっしゃい」的に Schönen Tag! と言うこともありますし、会社で例えばエレベーターなどで偶然一緒になった他部署の人に、降りるときに「よい一日を」というニュアンスで言うこともあります。
会ったのが午後であれば
Schönen Tag noch!
仕事を終えて帰宅する人に、または自分がお先に失礼する時には Schönen Feierabend!
週末前であれば Schönes Wochenende! (よい週末を)は欠かせません。
祭日の前であれば一般的に Schönen Feiertag! ですが、イースターやクリスマスなどの特別な祭日の前ではそれに合った別れのあいさつを言います。
Frohe Ostern! 楽しいイースターを
Schöne Pfingsten! 素敵な聖霊降臨節(ペンテコステ)を
Frohe Weihnachten! 楽しいクリスマスを
Besinnliche Wehnachten! 内省的なクリスマスを
クリスマスの後は休暇で年始まで会わないという場合は、
Frohe Weihnachten und guten Rutsch!
というのも一般的です。guten Rutsch は guten Rutsch ins Neujahr の省略で、うまく新年へ滑りこむ、つまり、よい年越しを願った言葉です。「よいお年を」という日本の年末のあいさつに通じるものがあります。
日曜日のお茶の時間にお邪魔したりして、夕方に帰るようなときは Schönen Rest-Sonntag! などと言うこともできます。「よい残りの日曜日を」という意味ですが、まあ、日本ではまず言わないですね。
夜にパーティや居酒屋などで先に失礼する時は残っている人たちに Schönen Abend noch! などとよく言いますが、日本語では「夜をまだお楽しみください」みたいな感じのこと言わないですよね?
今度いつ会うか分からない、おそらく二度と会わないであろう相手には Alles Gute! ということが多いです。別れの理由によって言い添える言葉には無限のバリエーションがあります。定型ではなくその時の状況に合った思いやりのある言葉をかけるのがいいでしょう。
連絡を取り続けたいという意味で、Bleiben wir in Kontakt と言うことはよくありますが、必ずしも言葉通りに取れるものではなく、結局そのまま音信不通というのはよくあることです。社交辞令の一種ですね。
別れのあいさつというほどではありませんが、別れ際によく使われるのに「では、そういうことで」というニュアンスのものがあります。
(Also) Dann, in diesem Sinne!
この後に大抵、Tschüss や Auf Wiedersehen が続きます。
Also dann, in diesem Sinne! Tschüss, bis bald!
余談
挨拶なしにパーティーなどの集まりから去ることを Polnischer Abgang(ポーランド式退出、主に東独)または Französischer Abschied (フランス式別れ、主に西独)と言います。
面白いことにポーランドおよびフランスでは「イギリス式に退出する(filer à l'anglaise)」と言い、イギリスでは「フランス式に退出する(to take French leave)」と言います。
ヨーロッパ人同士の相互不信の長い歴史を感じさせますね。こうした言い回しは差別的であることもあり、廃れつつあります。
サイト会員になると無料メルマガ「Mikakoのドイツ語通信」とブログの更新情報の通知をお受け取りになれます。ぜひご登録ください!
Comments