「Auf freiem Grund mit freiem Volke stehn(自由の地に自由な民が立つ)」は、ヨハン=ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)の 『ファウスト』第2部、第5幕からの引用です。
全体主義や独裁体制などいかなる抑圧も拒否し、自由を求めることの表明として使用されます。
引用元では、年を取って盲目となったファウストが、最後の智慧として、日々自由を勝ち取る必要のある者だけが自由を得るに値すると結論付けます。
Das ist der Weisheit letzter Schluß:
Nur der verdient sich Freiheit wie das Leben,
Der täglich sie erobern muß.
ファウストは自分の目的を達成し、彼の陸地拡張プロジェクトも実現しつつあると考え、そこに何百万人もの自由な人々が住めるようになることを夢見ます。それを見られる瞬間は、永遠に留めておきたいほど素晴らしいものであろうと。
Solch ein Gewimmel möcht’ ich sehn,
Auf freiem Grund mit freiem Volke stehn.
Zum Augenblicke dürft’ ich sagen:
Verweile doch, du bist so schön!
ゲーテはフランスの7月革命から受けた印象をファウストの最後の二幕に反映しているとされています。7月革命はブルジョワジーたちの土地の補償問題にとどめを刺すことになりました。
ファウストは、褒美として分け与える土地をもはや持たない皇帝に埋立地を造成するための海岸を要求します。
つまり、「freier Grund 自由の地」とは、埋め立てによって獲得された土地を指しており、誰も所有権や補償を主張しない土地です。
「freies Volk 自由な民」とは封建制度による束縛から解放された人々を指しています。
現在、私たちは当たり前のように自由を謳歌して、ほんの少しの制限にも不満を漏らしたりしますが、その自由はそもそもは当然の権利として与えられたものではなく、勝ち取ったものなのだということを時には思い起こすことも必要なのではないでしょうか。
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