jemandem nicht das Wasser reichen können は「(人)に水を差し出せない」が原義ですが、「~と同じ土俵に立てない、~に敵わない」という意味の慣用表現です。
中世の欧州貴族の風習では食事にナイフとフォークをまだ使っておらず、手で食べるのが普通でした。その際に給仕が水を入れた容器を紳士淑女に差し出し、それで指を洗うのがマナーだったわけです。現在でも「フィンガーボール」として残っていますが、手でしか食べていなかった時代はその必要性がもっと切実だったのでしょうね。
紳士淑女の食事の席に立ち入ってフィンガーボールを差し出すことができるのは上級召使の役割でしたので、その役割が果たせない一般の召使からすれば紳士淑女はもっと遠い存在だったわけです。それが転じて「~と同じ土俵に立てない、~に敵わない」という意味になったそうです。
出典:Geolino Redewendungen "jemandem nicht das Wasser reichen können" https://www.geo.de/geolino/redewendungen/9087-rtkl-redewendung-jemandem-nicht-das-wasser-reichen-koennen
nicht という否定がなければ「(人と)同じレベル・水準である」ことを意味します。
例:
Er kann mir nicht im entferntesten das Wasser reichen. 彼はまったく私のレベルに及ばない。 Die Frage ist doch: Wer will dir überhaupt Wasser reichen? 問題は、誰がそもそも君と同じ土俵に立てるかってことだよ。 Was das Faulsein betrifft, kann mir soweit niemand das Wasser reichen! 怠けるということに関しては誰も私に敵う者などいないね! (え、そういう勝負?😆 )
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