会話の中である単語がどうしても思い出せない時ってありますよね。日本語でも思わず「あれ」でごまかしてしまうような。「あれ取ってよ」「あれって何よ?」「あれだよあれ!」と言うような会話してませんか。
ドイツ人も同じ人間ですからこのように言葉が思い浮かばないときに似たようなやり取りをします。そのような表現をちょっとご紹介します。
Gib mir das Dingsda! - Ja, was? - Ja, das da!(あれとってよ!- は?なに?- だから、あれだってば!)
Ehm, wie hieß das noch mal?(あれ、あれってなんていったけ?)
Ehm, wie war das noch mal?(あれ、あれってなんだっけ?)
Ehm, dingens, (es) fällt mir gerade nicht ein.(あー、あれ、ちょっと今思い出せないわ)
Ehm, ich komme gerade nicht darauf.(えーと、なんだっけか(今思い出せない)
人の名前が思い出せないときに使える Herr / Frau Sowieso(なんとかさん、某氏)はとても便利です。もちろん、Wie hieß sie/er noch? と言う疑問文を挿入することも可能です。
Herr Sowieso hat dir das, ehm, das Dingenskirchen - ich weiß nicht mehr, wie das heißt - gebracht. 何とかさんていう男の人がね、あの、なんとかっていう、なんていうのか忘れちゃったけど、あれ持ってきたよ。
das Dingsda 「そこのあれ」は全国的に使われると思いますが、das Dingenskirchen (または Dingskirchen) という奇妙な言い方はケルン・ボンなどのリプアール方言地域に限られているらしいです。私にとっては日常的な表現ですが、他地域では通用しないこともあるかと思います。Dingenskirchen には「なにか」の他に「なんとかいうところ」の意味があります(例:Nach Dingenskirchen führen keine Wege. なんとかいうところへ行く道はない)。
思い出しそうなんだけど、もうちょっとのところで探している言葉が出てこない場合は、
Es liegt mir auf der Zunge, es fällt mir aber nicht ein.
Mir liegt es auf der Zunge, aber ich komme nicht darauf.
あれをもうちょっとで思い出せそうなんだけど、思い出せない。
Der Name liegt mir auf der Zunge, aber er fällt mir nicht ein. その名前がもうちょっとで思い出せそうなんだけど、思い出せない。
こののように、"etwas liegt jemandem auf der Zunge"「何かが誰かの舌の上に載っている」を使います。日本語では「のどから出かかってる」のように言うこともあったと思いますが、ドイツ語の場合は舌のところまで来てるのにそれ以上出てこないイメージなので、随分寸前まで出かかってる感じですよね。
ちなみに「Es liegt mir auf der Zunge」は連続テレビドラマのタイトルでもあります。私は見たことはありませんが。
動画版。
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